スイスに留学したShinや、その知り合いの体験から、日本に居るとちょっと想像つかないスイスの留学手続きの実際です。
スイスに、大学の学生としてではなく、音楽学校(Konservatorium, Musikhochschüle, conservatoire de musique, etc.)などに留学する場合、入学、入国許可の手続きを自分ですることになりますが、たいていの場合、これは途中で書類が揃ってないために進まなくなって、さて・・・ということになります。
大半の場合、日本で、東京のスイス大使館や、大阪のスイス総領事館に滞在許可申請の書類を取りに行くことから、スイスへの入国手続きは始まります。申請書類と一緒に、滞在費用が保証されていること、入学許可が出ていることを証明する書類などが必要ですが、問題になるのは、たいていスイスの銀行に口座を持っていて、留学費用がそこに入金できることの証明書類です。 1999年にチューリッヒに留学した知り合いは、チューリッヒ支店で現金を引き出せる東京三菱銀行に口座を作って、その書類を提出したそうですが、これに対して、チューリッヒの警察、スイス連邦移民局どちらからも、認めるとも認めないとも回答はなかったそうです。スイス的な観点からすると、「スイスの銀行ではない」ので、問題にしてもしかたないから無視した、というところでしょうか。 スイス国内にある日本の銀行(東京三菱銀行など)や多国籍銀行(Citibankなど)は、「スイスにある個人銀行」として存在しているので、上記の銀行などで、日本で作った口座から、現金を引き出せるにもかかわらず、スイス国内の上記銀行で作った口座でないと「スイスに銀行口座を持っている」とはみなされないようです。ちなみに、日本にあるスイスの銀行の支店から、スイス国内の支店に口座を開くことはできません。 Shinもそうだったのですが、唯一の手段は、どうやら、とにかくスイスにきて、銀行に口座を開くことです。 それから、もう一つ重要なのが、手続きを始めてしまった後で銀行の口座を作りに入国した時、絶対に入国を移民局や市役所などに届け出ないこと。観光などで入国すること自体には、日本のパスポートは無制限で国境を越えられるので、問題ありません。 このような手続き書類の書面上のつじつまが合わなかったため、手続きが終了せず本国に帰らなければならなかったと思われる例がジュネーブの仲間で1件、チューリッヒの友人の知り合いで1件あります。これらは、いずれも、滞在許可が出る確認書(いわゆる入国許可・ヴィザ)をもらう前に入国を届け出てしまった人たちです。 |
参考:やいちゃんの留学日記 |