Geneve No.2

大体、スイスのガイドブックのフランス語の所に
標準フランス語をのせるのが大間違いなのですが。
スイスでのフランス語(ロマンド)に驚かないために・・・

数の読み方

スイスでは70septante80huitante(ジュネーブではquatre-vingt)、 90nonanteです。 ベルギーのフランス語圏でも大体同じですが、地方によっては80はoctanteとなるみたい。 で、たいていの辞書では(フランスの辞書も含めて)スイスでは80はこのoctanteというのを使うと書いてありますが、 これはまったくのウソで、スイスでoctanteといっても、絶対に通じません

ありがとう・・・

「ありがとう」というのは、もちろん merci ですが、 それに対する返事は、フランスでは Je vous en prie. とか  Je t'en prie. が普通ですよね。
ところがスイスでは、普通 Service. といいます。 お店なんかで、丁寧に言う場合には A votre service. となって、 なんだか急に家来ができたみたいな感じがしますが、実は、大して意味があるわけじゃないんです。深く考えないように!!(笑)

ついでですが、スイスのドイツ語圏でも、「ありがとう」は Merci です。Shinにとっては、混乱の元凶です。

くしゃみ

近くの人がくしゃみをしたとき、日本では何も言いませんよね。でも、ヨーロッパでは一言声をかけるのが礼儀です。
フランスでは、 A vos souhaits. とか、 A tes souhaits. とか言いますが、 スイスでは Santé. と言います。 フランス人に言わせると、スイスの方が心がこもっている、と言う感じがするそうです。

services compris ?

レストランやカフェなどで「アディション(L'addition)」、つまり会計を頼むと、いつもチップをどうしよう と悩みますよね。ガイドブックなどにいろいろ書いてありますが、実際にフランスでは、普通のカフェでのコーヒーやビール一杯ぐらいのときは、 持ってこられるレシートにService comprisと書いてあるのを確かめて、お釣りは財布に入れて持って変えるのが普通です。 で、問題は、このServiceですが、スイスではカフェでの飲み物のレシートには書いてありません。 サービス料は・・・?という感じですが、スイスではサービスはお店の商品の一部という扱いなので書かれないのです。
ややこしいのは・・・このServiceはスイスではテーブルセッティング(フランスでのcouvert)のことなので、 もし、スイスのきちんとしたレストランで請求書にServices comprisと書かれていなかったとしたら・・・ やはりテーブルセッティングにいくらか置いていくことを気にしてもいいかもしれません。こんな時に迷ったら、悩むよりは、 そのようなレストランには絶対にいる maître de maisonつまりフロアの責任者に直接聞いてみましょう。 その店でのだいたいの習慣を教えてくれるはずです。

授業料、というもの

フランスでは、たいていの学校は公立なので、留学などで学校の手続きをすると、 学校の手続き手数料などのほか、授業料がかかるとすれば授業料=Scolarité を払うことになります。支払い先はそれぞれ自治体だったり、学校の事務だったりですが・・・ スイスでは、このような手数料や授業料はひとまとめに écolageと呼ばれていて、 たいていはまとめて学校に払うことになります。フランスでは学校は国の機関、という事情によるんだそうで・・・
スイスでのécolageという言い方をそのままフランスでも使ったShinなどは、フランスでは タイムカプセルから出てきた人のような扱いを受けてしまうことになります・・・(^_^;)

カフェ・オ・レ

カフェオレが飲みたかったら、スイスでは「カフェ・ランヴェルセ(renversé)」といって頼まないと、 たまに通じない店があります。ジュネーブでは、これと紅茶はガラスのカップで出てくるのが普通だけど、紅茶はちょっとね。

ベルギーのフランス語圏の多くの地域では、カフェオレは「レ・ルッス(lait russe=ロシアのミルク)」です。一体、何でロシアなんでしょう。これもガラスのカップで出てくることが多いみたいです。

カフェ、と言えば

カフェ・オ・レについては上のとおりですが、たとえば喫茶店に行って、普通に「カフェ」と注文するとどうでしょう?
国や地方によってコーヒーの味や濃さは違うものですが、この「文化ごちゃ混ぜ」の地・スイスでは、エスプレッソマシーンで煎れているからフィルターで煎れたコーヒーよりは濃いけど、 フランスのコーヒーよりは(当然ながらイタリアのよりも)ずいぶん薄いし量が多いという、なんとも微妙なコーヒーが出てきます。

もし、フランスで飲むようなエスプレッソが欲しければ、 express (エクスプレス)、 イタリアで飲むような、もっと濃いエスプレッソがお望みならば、リストレット ristrette / ristretto と頼みましょう。

ケイタイ

世界中、コレなしにはいられないっていう人も多くなってきた携帯電話は、 téléphone portable または  téléphone mobile、あるいは単に  portable がフランス語の表現ですが、スイスでは普通 Natel と呼んでいます。
もともとはPTT(郵便局、現在のSwisscom) の商標名ですが、一般に定着してしまっていて、3つあるオペレータのどのケイタイもNatelと呼んでいます。スイス国境近くのフランスでも、この呼び方で通じる場合がありますが、普通、フランスではこう言っても誰もわかりません。

すごい誤解が起こる・・・こともある・・・

 être quitte de +inf. と言う表現があります。
もう〜からは解放されている」のような意味です(普通はね・・・)。もちろん、「以前は〜に煩わされていた」というニュアンスが含まれているのですが、 スイスでは〜には(もともと)全く関係ないという意味で使っています。
たとえば、Je suis quitte de la drogue. と誰かが言ったとしましょう。
その人がスイスのフランス語を話す人だと、まず、その人の麻薬歴はないと思って間違いありませんが、 もしフランスのフランス語を話す人だったとすると、その人は過去に・・・という可能性が・・・(-_-;)

中学校?体育館?

道を聞いたとき、 gymnase を目標にって言われて見つからず、 スイスでは、ずいぶん体育館に通う生徒が多いと思った方っていませんか?
 gymnase っていうのは、フランスでは体育館を指しますが、スイスでは中学校、または中学校( collège )と高校( lycée )の合わさったものです。
スイスでは体育は野外でやるところが多いから体育館って無い学校も多いけど、それは salle de sport っていうしね。

いろいろな(ツノ)

環境保護の観点からも、最近は姿を消しつつあるスーパーのレジ袋le sac prastiqueですが、スイスではこれを(も) cornet と呼びます。なぜかとか、聞かないでください(笑) 昔はとがった角型の入れ物だったんですかねぇ?
というわけで、例えばパン屋さんでクリームなどが入ったパンの cornet を買って、それを cornet に入れてもらうってコトもありえるわけで…( ̄▽ ̄;)

スイスでは他にもツノがあって、電話の受話器もやっぱり cornet です。これは昔の電話機の、ラッパ型の受話器を思い出せば納得いきますが、それにしても、いつの時代だか・・・☆彡

どこが故障したッテ?

「あれ、電気がつかないよ・・・電球が切れたかなぁ?」  「いや、panne de secteur だから仕方ないよ」・・・
・・・故障panne したって・・・だったら直せばいいのに、と思うのはフランス語。スイスでsecteur っていうのは、電気のことで、panne de secteur っていうのは停電
直すって言う問題じゃないけど、知らないとマジあせる(^_^;)

OK!・・・なのかな??!!

フランス語で会話してる時、『OK』ってのはÇa marche.って言いますよね。で、スイスではこれが聞こえてこない・・・不安になったりして(^_^;)
スイスでは普通、同じ状況ではÇa joue.って言うんですよ。知らないと、約束が取り付けられたのかどうかも分からなかったりね。(>_<)
Alors, ça te joue?


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